リィンはクロスベルでの任務を終えて、トリスタへ戻ってきました。
帝国政府の専用列車「アイゼングラーフ号」に乗って帰ってくることもできましたが、彼が乗ったのは鉄道憲兵隊所属の高速列車「クルセイダー」です。
その理由はもちろん、実の父親であるギリアス・オズボーンと同乗したくなかったからの一言に尽きます。
シュバルツァー男爵家の養子として育ったリィンは、きっと実の親のことを考えない日はなかったはずです。居心地がいい男爵家の中で、自分が本当は貴族の血筋ではないことにずっと悩んでいたのですから。
皇帝からは信頼を、平民からは熱い支持を受けている男。その反面、貴族派から疎まれ、諸外国からは脅威と畏怖される男。《鉄血宰相》と呼ばれる男が父親だったことは、リィンの中に強いシコりが残っています。
自分を捨てたことだけではありません。士官学院で知り合い、共に過ごし、強い絆で結ばれたかのように思えたにも関わらず、その過去ゆえに敵対してしまったクロウ。彼が人生のすべてをかけて、テロリストに堕ちてまで命を狙った男が、自分の父親だったのですから。
悪友クロウは本懐を遂げずしてこの世を去りました。しかも、彼が死去した後にその標的が生きて現れた。クロウは祖父の仇を討てなかったことを知らずに逝ったのです。ずっとクロウの友達でいたかったし、トワ生徒会長たちとともに学院を卒業させたかったリィンにとって、この事実はやるせないものになっているのは確かです。
出迎えてくれた鉄道憲兵隊のクレア大尉に、リィンは悪態をついてしまいます。彼女本人に悪意がないとはいえ、彼女はオズボーン宰相の子飼い、《鉄血の子供たち》の一員なのですから。
「ルーファスさんが《子供たち》の筆頭だったのは、真実知らなかったとして。俺の『父親』については本当に知らなかったんですか?」
睨むリィンに、クレア大尉は目を逸らします。
「薄々、気づいていました。どこか雰囲気や顔立ちが似ているというか。閣下も意外なほど《Ⅶ組》に興味を示されていましたから」
確証はなかったとはいえ、上司と自分の関係性に気づいていたのなら、何故それを教えてくれなかったのか。これまでⅦ組の特別実習や内戦の時も含め、自分によくしてくれていたのはそれが動機だったからではないか。
クレア大尉のこれまでの行動に、そういう腹積もりがあったのではないかと感じ取ってしまったリィンは、彼女に冷たく当たるのでした。
リィンが去った後のクレア大尉の、
「別にそれだけが理由で気に掛けていたわけじゃ…。なんて、言えませんよね」
という独り言。
なんだこのいじらしい子はw
どうした《氷の乙女》!?
一ヶ月ぶりに戻ってきたトリスタ。
ですが、あまりに短期間のうちに色々なことがありすぎたために、リィンの心はかなりナーバスな状態。そんな彼を暖かく迎えるⅦ組の仲間、そしてトワ会長たち。
内戦が終結して、トールズ士官学院も通常の学園生活に戻っています。リィンは仲間とともに学院に戻ります。
あの戦いの直後の回想に入ります。
煌魔城は消滅し、元のバルフレイム宮殿に戻り、人々の記憶が曖昧になっていったと。中心人物だったリィンたちは覚えているようですが。
戦い後、カルバード共和国のクロスベル侵攻という危機感を煽ることで、ルーファス・アルバレアは僅かな期間で貴族勢力を説き伏せ、オズボーン宰相への全面協力を表明しました。
表向きには貴族派と革新派が手を取り合っているように見えますが、2人の内情を知っていたら、とんだ茶番劇ですねw
1205年、正規軍と領邦軍の総力を結集してクロスベル侵攻。
ガレリア要塞を消滅させた神機アイオーンは既になく、守るための力を失ったクロスベルはもはや風前の灯でした。たった1日でクロスベル市は帝国軍によって無血占領。共和国もすぐに侵攻を進めてきたものの、主力戦車に機甲兵、そして参謀としてのルーファスの戦術が圧倒。
リィンはヴァリマールと共に帝都解放の立役者に祭り上げられ、クロスベル戦線への協力要請に従い2月に現地入り。共和国軍を何度も撃退するうちに、いつの間にか『灰色の騎士』という名前で呼ばれるようになりました。
帝国の臣民として帝国に貢献することは本望だったでしょうが、英雄扱いを受けたことに対しては複雑な気持ちがあるでしょうね。最後の戦いで助けたい人も助けられず、本当の父親が誰なのかも知らされた彼にとっては。
3月12日
Ⅶ組最後の日が近づいてきています。2年に進学したら無くなるのでしょうか。
2年生は卒業後の進路を考え、1年生は2年生から部などの引継ぎをしています。旅立ちと別れの時期ですね。
放課後、クロスベルでの生活をリィンに尋ねてくるⅦ組メンバーですが、リィン自身は作戦行動がずっと続いていたし、息抜きに市内を案内されもしましたが、居心地はよくなかったようです。
そりゃ占領国の人間としては、相手の住民のことを考えるといい気分がしませんよね。それが平気なのはまだしも、上から目線で歩ける者はよほど不遜な人間だと私は思います。
リィンは放課後、技術棟へ顔を出します。
アンゼリカとジョルジュがいます。
ジョルジュが新しいバイクを組み立て、アンゼリカのこれからのために用意しているのです。
アンゼリカは卒業後、モラトリアムも兼ねてバイクでゼムリア大陸を一周するらしいです。なかなかハードでスケールが大きいw
呆れるジョルジュですが、彼も名だたる技術工房を巡って武者修行という度に。リベールのZCF、レマン自治州のエスプタイン財団本部、そしてカルバードのヴェルヌ社も候補に入れています。
エレボニアの人間がカルバード行きたいとかwww
「技術屋として僕なりにこの状況をどう改善できるか、各国の技術者と交流しながら見極めていきたいんだ」
なにこの太っちょ、カッコいいじゃないですかw
戦争に協力した立場であるリィンは自分を恥じますが、頭を上げろと励まされるのでした。
クロスベルは一度占領という形で治める以外に方法は無かった。戦争を長引かせないためにも『力』を示す必要があったのだと。
戦争が長期化すれば、帝国と共和国の間に挟まれているクロスベルの地そのものが戦火に巻き込まれていた。罪も無い市民が沢山犠牲になっていた。そうならないための最善の策が占領という形だったのです。
「罪悪感を感じるなとは言わない。それは君自身が向き合うものだろうから。ただ、私たちやトワ、もちろん君の仲間たちも、君のことを理解している事だけはどうか忘れないでくれ」
さすが先輩、決めてくるねぇ!
生徒会室にも立ち寄ります。
トワ会長、寝ていますwww
目が覚めた会長、オタオタしてて萌えるw
リィンの表情が翳っているのを見て、トワ会長はリィンを諭します。
「あのね、リィン君は男の子だし、実際にこの一年で成長したと思う。でもね、いつもずっと立ち続ける必要はないんだよ? 疲れたら、気が抜けちゃったら、我慢しないで座ってもいいと思う。大人だって、男の人だってね」
涙を流すリィン。最後の戦いの前にトワ会長と交わした約束、クロウを連れ戻して会長たちと一緒に卒業させるという願いを守れなかったことへの涙です。
「リィン君はちゃんと、私たちの想いをクロウ君に届けてくれた。クロウ君の想いも私たちにちゃんと…。だからね、そんなに哀しまないで?」
その後、2人はソファーに座り、トワ会長の今後について聞かされます。
トワ会長は卒業後にNGO(非政府組織)巡りして1年間は勉強するらしい。省庁から既にオファーが来ているとか、優秀な頑張り屋さんですからね。
「これからのことを考えると、色々な視点は持っておきたいから。軍に入るにしても省庁に入るにしても、自分の考えは持っておきたいんだ。何よりも帝国の未来のために、って、えへへ、ちょっと大げさかな?」
やっべwww
マジ可愛いわ!
ペロペロ(^ω^)
Ⅶ組全員で歩く帰路、ちょうど約1年前に彼らは初めて出会ったのです。
マキアスとユーシスが一触即発だったのも今では懐かしい思い出。
マ「あれは、その、僕も悪かったというか」
ユ「まあ、気にするな。未熟さゆえの過ちは誰にもあるだろうからな」
マ「ありがとう…って、自分は悪くないような顔をしてるんじゃない! 散々上から目線でこき下ろしてきたくせに!」
ユ「だから誰にもと言っているだろうが?」
この2人は相変わらずで安心しますねw
そしてここで必ず出されてしまう、リィンとアリサのラッキースケベ事件。
そこそこ大きめの乳の持ち主、アリサのお胸にリィンがモロに顔面窒息レベルに埋めてしまったアレ。その後、最初の特別実習の初日まで険悪なムードでしたね。
これから全員で手分けして夕食を作ろう!
と思っていた矢先、戻ってまいりました。
「その必要はありませんわ?」
第3学生寮の管理人さん。
RFグループのメイドのシャロンさん。
残り短い期間ですが、再び素敵なご馳走の日々が待っています。
RFグループは建て直しに忙しいはずでしたが、グエン老が戻ってきたことでどうにかなっているらしい。アリサの母イリーナ会長も少しは肩の荷が下りるといいですね。なんか親子ゲンカしそうだけどw
しかし、ある意味ではアリサが望んでいた家庭が戻ってきたのでは。帝国の内戦の結果というのが皮肉ですが、雨降って地が固まるというやつでしょうか。
「あー、お腹空いたぁ。ちょっと暖かくなってきたし、そろそろビールの季節よね~」と色気なしで戻ってくるサラ教官。
「げげっ、なんでアンタがここにいるのよ!?」
シャロンを見てヤな顔をしますw
対するシャロンはにっこり微笑みながら
「ご無沙汰しております、サラ様。ビールのおつまみでしたら、カキの燻製やオイルサーディンを仕込んでおりますけど。ご夕食の時にお付けしますか?」
「うぐっ…よろしくお願いします…」
堕ちたwww
寮の夜、Ⅶ組解散の理由がわかりました。
リィン以外は2年に進級せず、それぞれの道へ行くようです。
※アリサ・ラインフォルト
アリサは地元のルーレ市の学校に通いながら、RFグループの手伝いをすることを決めました。ノルドでの隠居生活からRFグループに戻ってきた祖父グエンから色々と教わり、ゆくゆくは母親の鼻を明かしてやるというのが彼女の野望w
※エリオット・クレイグ
エリオットは帝都にある音楽院に編入することが決まっています。父親の許しが出たことで、彼は音楽の道を進むことを決意したようです。
帝都とトリスタは距離的には近いので、これからもたまに会おうと約束するのでした。
※ラウラ・S・アルゼイド
ラウラはこれから地元レグラムに戻り、アルゼイド流の奥義伝承の修行に入るようです。帝国の情勢が激変した今、一人でも優秀かつ正しい心を持った武人が必要ということでしょうか。
※マキアス・レーグニッツ
マキアスは帝都の政治学院へ編入。マキアスの年齢では厳しいらしいですが、彼はそこを目指します。本来なら士官学院を卒業してから進むようですが、政情が激変した結果、来期の志望者が多くなったことで門戸が開かれています。
編入試験には合格したものの、入学してから大変。ゆくゆくは父親と同じ政治家を目指すみたいですね。こういう頑張り屋の二世議員なら大歓迎ですよw
※エマ・ミルスティン
エマは魔女の眷属の郷に一度戻って、クロチルダを探す旅に出るようです。ヴァリマールの件もあるので、秘術を使った連絡方法でこれからもリィンとはやり取りする予定。
※ユーシス・アルバレア
ユーシスは既に大量の書類に埋もれる毎日。税収についての報告書類が山盛りです。父親ヘルムートは内戦での所業により逮捕され、兄ルーファスはクロスベルの総督になり、クロイツェルン州を治めることができるのは若干17歳のユーシスだけ。
領地運営に領邦軍、貴族の強硬派も抑える、一番大変なのは彼ですね。進級せずに退学して、領地に戻らなくてはならないのも仕方がないでしょう。これも貴族の義務なのですから。
※フィー・クラウゼル
フィーは猟兵団の仲間の行方を捜す旅に出るようです。
もともと彼女はサラ教官が連れてきた特別待遇の入学です。(年齢はリィンたちより2歳下の15歳)
サラ教官が士官学院を去るので、フィーも決意を固めたのでしょう。
彼女はリィンに、自分が園芸部で育てていた植物の種を託します。
※ガイウス・ウォーゼル
ガイウスは故郷ノルドに戻ります。
緩衝区だったクロスベルが帝国に牛耳られた今、共和国との門戸が開いているノルドの地も安全とは言えません。ノルドに戻っても絵を描き続けるらしく、いつかは赤い翼カレイジャスと学院生たちの絵を描きたいと思っているようです。
※ミリアム
ミリアムは鉄血の子供たちとして、帝国軍情報局に戻ることが決まっています。内戦は終結したとはいえ、まだまだ予断は許されない時期。帝国の西部を見てきてくれと鉄血宰相から命令が下っているのでした。
この子もこの年齢で大変ですよね。
※サラ教官
サラ教官は2年ぶりに遊撃士へ復帰することが決まっています。クロスベルの情勢を鑑みれば諸外国へ行く機会も増えるのに反して、敵対勢力のいなくなったオズボーン宰相による遊撃士協会の締め付けは厳しくなる一方。
熟練者たるサラ教官が復帰するのも頷けます。
リィンはサラ教官に自分は情報局に所属するつもりはなく、あくまで士官学院生として今後も帝国政府の要請に応じることを誓います。遊撃士協会と対立するような民間人の安全が脅かされる要請には応じないと。
たとえ実の父親が遊撃士を締め付ける鉄血宰相であろうと、その考えを変えるつもりはないということでしょう。
*クロウ
最後は誰もいないクロウの部屋で感傷に浸ります。彼が最後に残した言葉を胸に、リィンはこれからも学院で頑張っていこうと決意するのでした。
部屋に戻るとARCUSに通信が来ます。
妹のエリゼでした。普段は文通ですが、アルフィン皇女に後押しされて連絡してきたようです。
相変わらず上品な口調の妹御ですw
「一段落したら会いに行くよ」というリィンに、
エリゼは「いえ、それには及びません」と返答。
これは絶対に何かあるなwww
長くなったので分けます。
人気ブログランキングに参加しています!
応援クリックよろしくお願いします!!
レビュー ブログランキングへ
↧
ゲーム感想 閃の軌跡2 「後日譚 冬の終わり」 その1
↧