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Channel: 慢性的厨二病患者モキエル
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ラノベ小説感想 六花の勇者 2巻

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前回の記事はコチラです。

1巻感想のつもり




ナッシェタニア
が去り、


ロロニアが加わって再び7人となった
六花の勇者は魔神打倒のため、
魔哭領へと入ります。


2巻はモーラ回ですね。


1巻ではやたらとアドレットを
7人目と敵視したことで、
アドレットの容疑が晴れた後は、
逆に7人目と疑われた無能なオバサンw


冒頭はモーラがハンスを殺したところから始まります。



おいおい、いきなりかよwww
と思う展開ですが、
そうなるに至った経緯が
2巻本編で語られます。


実はモーラは
魔神の目覚めの3年も前に、
テグネウと接触しておりました。



テグネウは、
人間の「愛情」に深く興味を持ち理解し、
「愛情」を逆手に取った策謀を巡らせてきます。

その所業たるやエグすぎですw
さすがは石田彰



モーラは勇者の中で唯一の所帯持ちです。
テグネウはそこに付け込んでモーラに接触。
(3年前の時点ではモーラが
勇者に選ばれるかは決まっていなかったが)

テグネウはモーラの娘に寄生型の凶魔を仕込み、
娘の命を引き換えに六花の勇者を殺せと
命じてきます。


しかし当初のモーラは賛同しません。
理由はモーラがテグネウの脅迫に応じても
娘の命を守るという保証がないから。

面白い事に脅迫による交渉というのは、
相互の信頼関係がないと成り立たないのですねw

たとえば身代金目的の誘拐では、
加害者は金が入れば人質を返すことが絶対条件。
被害者は加害者に脅されたことを
誰にも言わないことが絶対条件。

…となります。

まあ、だいたいは被害者が密かに警察と通じて
誘拐犯からの連絡を盗聴・逆探知しよう
とするのが流れですけれど。

つまり信頼関係が成り立っていないw


そこでテグネウは取り引きを遵守させるため、
《言葉》の聖者の力を利用することにします。
契約を絶対遵守させることができると。

わかる人にはわかるかもしれませんが、
ハンター×ハンターのクラピカの
ジャッジメントチェーン
みたいなものですw


で、その遵守条件ですが…
・モーラが六花の勇者を1人殺して欠員を出せば、
モーラの娘に寄生している凶魔をテグネウが死なせる。

・もし、モーラが六花の勇者に選ばれても、
モーラ自身が自殺するという方法で
六花の勇者に欠員を出すことは無効とする。

・テグネウは寄生凶魔以外の方法で
モーラの娘に危害を加えてはいけない。

・テグネウは他の凶魔を使ってモーラの娘を
襲わせることはしてはならないし、
他の凶魔にこの取引のことを教えてはならない。

・テグネウはモーラに対して嘘をついてはならない。

・テグネウに課せられた条件をテグネウ自身が
1つでも破れば、テグネウは核(凶魔の心臓)が
破壊されて死に至る。
この場合でもテグネウの配下である寄生凶魔は
モーラの娘から取り除かれる。

・魔神の目覚めから22日後を期限とし、
その間にモーラが六花の勇者を1人殺すか、
テグネウ自身が死ねば人質は解放される。
22日過ぎても上の2つの条件が満たされないと、
モーラの娘は寄生凶魔によって殺される。


とまあ、かなりキッチリとした条件を組みます。
モーラは魔神の目覚めから22日まで
六花の勇者を1人殺すか、
テグネウ自身を殺すかで

娘を救えるという点
ですね。

22日の期限のギリギリまでは
六花の勇者を殺すという
裏切り行為をしなくていいと。


ところがテグネウは
この契約の穴を見事についてくるw


1つはモーラのこの事情を知っている人間をたぶらかせて、
期限が来たら娘が取り憑かれ殺されるだけでなく、
大きな被害が出るから、その前に娘を始末しろと命じます。

テグネウにかけられている条件は
・モーラに嘘をついてはならない
・他の凶魔を使ってモーラの娘を襲うことを禁止

なのでこの方法は契約の範囲外なんですよねw

この見事なまでの契約のすり抜け術!
保険会社の約款による
出し渋りそのもの!w
テグネウさんマジぱねっす!



これによって期限を15日までに短縮させて、
モーラの判断力を削いできますw

さらにテグネウはモーラに対して
「おまえが7人目だ」と発言。

これでテグネウが死なないものだから、
モーラは自分が自覚のない7人目(勇者の偽物)
だったと錯覚に陥ってしまいます。


結論からいうとモーラは7人目ではありません。
つまりテグネウはモーラに嘘をついたことにより、
テグネウは死ななければおかしいわけですが、
ここも契約の穴というかテグネウの策略
それを回避してくるんですよねー。

どういう方法だったのかは内緒ですw
テグネウの正体にも関わってくることなのでw
2巻でメインとなる解決編となので。


ちなみにテグネウの正体を突き詰めたのは、
主人公のアドレットです。





ともあれ、テグネウの2巻での作戦は、
偽物の六花に本物と思わせる
のではなく、
本物の六花に自分が偽物だと錯覚させる
というエゲつない手法でした。

モーラが自分を偽物だと錯覚して行動したら、
六花の勇者を1人殺した後に、
モーラ自身が自殺すれば、
勇者を2人も始末できる
という作戦なのです。
1粒で2度美味しい作戦w


最初にモーラがハンスを殺したとなっていますが、
ハンスは死にません。

これはモーラがうまく作戦を立てたおかげなのですが、
それも一応内緒ということでw

1つ言えるのは、
テグネウの誤算はモーラとの接触が3年前だったことで、
モーラにこの取り引きに対する対策を練る時間を
与えすぎた
ということですね。



それと、1巻(アニメ)でモーラが
意固地なまでにアドレットに
7人目の容疑をかけたのは、
神殿からアドレットが逃げる時に、
フレミーを人質に取った
からです。

テグネウに娘を人質に取られて
六花の勇者を殺せと脅されているモーラにとって、
アドレットの人質を取るという行為そのものが、
非常に許しがたいものと思えたからです。


ただ無能に「アドレットが犯人じゃ!」と
言っていたわけではないということ。

こういうアフターフォロー、大好きです。


2巻も1巻に負けず劣らず良作でした。
では、ここで2巻の感想は終わります。




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