フィダック城陥落に関する知らせは瞬く間に広がり、多くのバクラム人を驚愕させた。
敵軍の指導者がわずか16才の若者であったことや、司祭ブランタが信用するに足らない男であったこと、無敵のはずの暗黒騎士団が敗退したこともそうだが、何よりもドルガルア王の娘が生きていたことにある。
人々は永く続く戦乱の世に疲れ果てており、民を導く正当の統治者を渇望していた。カチュアの出現は救世主の再来に他ならなかった。
ランスロット・タルタロスはローディスの代表としてカチュアをヴァレリアの正式な王位継承者と認め、後継者争いに端を発した内戦の終結を宣言した。
ランスロットはこうした行為によって、これまでの争いを民族やイデオロギーの対立ではなく、権力を欲したエゴイスト達による反逆と位置づけ、世界的な立場から内戦自体を否定したのである。
しかし、こうした主張を受け入れ支持したのは一部の特権階級と財を成した富裕層のみで、各地に広がっている反バクラム主義を封じ込めるだけの力はなかった。
ヴァレリア戦乱はもはや民族紛争などではなく、支配する側とされる側の対立、言い換えるなら束縛を逃れ自由を得るための戦いへと、その姿を変えていたのである…。
↑ここのデニムの年齢ですけど、最初に選択したデニムの誕生日と、この章に至るまでにかけた日数で定めらます。
なので悪戯にランダムエンカウントバトルをしまくったり、あちこちエリアを歩き回って日付を進めまくるとどんどん年齢を重ねてしまうということにw
その気になれば「わずか113歳の若者」とかできるんですよねw
若者以前に死んどるわ!www
4章になると名実とともに解放軍リーダーとなっているので精悍な感じになりますデニム君。
1~3章
4章
4章の冒頭は王都ハイムの地下に囚われた聖騎士ランスロットのシーンから始まります。ちなみに自分はこのゲームでは、このシーンが一番好きです。
暗黒騎士ランスロットが吊るされた聖騎士ランスロットの前に立ち、会話を始めます。
第1章で名前違いで間違えられた時、聖騎士ランスロットはとぼけたフリをしていましたが、実はこの2人、昔からの知り合いですw
暗「聞こえるか? ゼノビアの聖騎士よ」
聖「貴公らが敗れるのも時間の問題だな」
暗「我がローディスにとってヴァレリアの覇権など些細な問題にすぎん。それを知らぬわけではあるまい?」
聖「…日増しに高まる民衆の不満を抑えきれないようだな?」
暗「所詮、バクラム人は我々と違い劣等民族だからな。彼らには少々荷が重すぎたということだ」
聖「力で人を縛り付ける、そうしたローディスのやり方に問題がある。そうは思わないのか?」
暗「縛り付けた覚えなどないな。彼らは力で支配されることを望んだのだ」
聖「望んだだと?」
暗「そうだ。世の中を見渡してみろ。どれだけの人間が自分だけの判断で物事を成し遂げるというのだ? 自らの手を汚し、リスクを背負い、そして自分の足だけで歩いていく。そんなやつがどれだけこの世の中にいるというのだ?」
聖「…」
暗「貴公らの革命を思い出してみよ。貴公らが血を流し、命を賭けて守った民はどうだ? 自分の身を安全な場所に置きながら勝手なことばかり言ってたのではないのか?」
聖「彼らは自分の生活を維持するだけで精一杯だったのだ」
暗「いや、違う。被害者でいる方が楽なのだ。弱者だから不平を言うのではない。不満をこぼしたいからこそ、弱者の立場に身を置くのだ。彼らは望んで『弱者』になるのだよ」
聖「馬鹿な、人には自分の人生を決定する権利がある。自由があるのだ!」
暗「わからぬか! 本当の自由とは誰かに与えてもらうものではない。自分で勝ち取るものだ。しかし、民は自分以外の誰かにそれを求める。自分では何もしないくせに権利だけは主張する。救世主の登場を今か今かと待っているくせに、自分がその救世主になろうとはしない、それが民だ!」
聖「人はそこまで怠惰な動物じゃない。ただ、我々ほど強くないだけだ」
暗「…聖騎士よ、貴公は純粋すぎる。民に自分の夢を求めてはならない。支配者は与えるだけでよい」
聖「何を与えるというのだ?」
暗「支配されるという特権をだ!」
聖「馬鹿なことを!」
暗「人は生まれながらにして深い業を背負った生き物だ。幸せという快楽のために他人を平気で犠牲にする。より楽な生活を望み、そのためなら人を殺すことだっていとわない。しかし、そうした者でも罪悪感を感じることはできる。彼らは思う、これは自分のせいじゃない、世の中のせいだ、と。ならば、我々が乱れた世を正そうではないか。秩序ある世界にしてやろう。快楽を貪ることしかできぬ愚民には相応しい役目を与えてやろう。全ては我々が管理するのだ!」
聖「意にそぐわぬ者を虐げることが管理なのか!」
暗「虐げているのではない。我々は病に冒されたこの世界からその病因を取り除こうとしているにすぎん。他組織に影響を及ぼす前に悪質なガン細胞は排除されねばならんのだ!」
聖「身体に自浄作用が備わっているように、心にもそれを正そうという働きはある!」
暗「それを待つというのか? ふふふ、貴公は人という動物を信用しすぎている。民はより力のある方へ、より安全な方へ身を寄せるものだ。そのためなら愛する者を裏切ることもできる」
ほんと、この会話を見ているとね、暗黒騎士の方が現実で、聖騎士のは理想論にしか聞こえないわw
これセガサターン版だと速水奨と子安武人のボイス付だったから、もう(;゚∀゚)=3ハァハァしまくりでしてですね。ウォーレンレポートでよくシーン再生して楽しんでましたわw
さて、ここでブラックカチュア登場。
聖「カ、カチュア、何故君がここに?」
暗「紹介しよう、聖騎士殿。彼女こそドルガルア王の忘れ形見にしてヴァレリアの正統の後継者、ベルサリア王女だ」
驚く聖騎士ランスロット。
暗「貴公の指摘したとおり、バクラムはもうおしまいだ。しかし彼女が我が手の中にある限り、ヴァレリアの民はローディスの下僕となろう」
聖「カチュア…、君は一体?」
カ「私はデニムを愛していたわ。たった一人の弟だもの、当然よね。でも、デニムは私の弟じゃなかった。そして、私を見捨てた。手に入らないのなら、いっそ…」
うわああああああああ、
ヤンデレ発言キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
言うだけ言って、ささっと去っていきますヤンデレブラコン糞ビッチw
暗「私の片目を奪った男と別れるのは惜しいが、これ以上敗北者を痛めつけるつもりはないのでね。失礼させてもらうよ」
聖「ま、待て!」
暗「さらばだ、ゼノビアの聖騎士よ」
Chapter-4
手をとりあって
一方、反バクラムの指導者となったデニムの方では…。
王女の姿は式典以来、誰も見ていないとのこと。バクラム軍幹部すら知らされておらず、司祭ブランタも密偵を放って探らせていると。暗黒騎士団とバクラムは完全に溝が出来上がっていますね。
暗黒騎士の多くは王都ハイムに駐留しているものの、コマンド級の幹部たちの姿を確認することはできない。そのため、バクラム側もデニムへのアクションを起こせないでいるみたい。
他の情報としてはゼノビアの聖騎士ランスロットはハイムの地下に囚われているとのことが判明。(さっきのシーンですね)
側近がハイムへ進軍を開始すべきではないか?と進言してきますが、デニムは暗黒騎士団の狙いがわからないのに戦いを仕掛けるのは軽率だと側近の進言を拒否。
側近もただでは下がりません。ベルサリア王女に従おうとする気運が高まっているので時間が経過すればするほど戦いが難しくなると。ヴァレリア島を統一した故ドルガルア王があまりに偉大すぎたため、その一族と剣を交えたくないと考える兵も出始めていると。
だからこそ安易に攻めることができないとデニムは拒否。完全な膠着状態です。
そこで解放軍兵士から報告が。
ブリガンテス城の兵士らが人質を取り、城内に立てこもり事件発生。要求はバクラム軍への降伏。
デニム、ピーンチwww
しかし冷静に背景を考察します。この行為はフィラーハ教団の横槍で、フィラーハ教の信徒が兵士の中にいるからだと。亡きドルガルア王が熱心なフィラーハ教の信者であったから、ドルガルア王のように『民族融和』のスローガンを掲げ戦争放棄を訴えることは当然であると。
「力で対抗したのでは司祭と同じだ。教団の指導者に会いに行く!」
デニムは丸腰で1人で会いに行くことを決意。
ブリガンデス城で装備無し+デニムのソロ出陣をすると無血開城されます。16歳なのにデニム様って呼ばれているんだねw
城門前で教団の僧侶オリビアがデニムを迎え入れます。教団の指導者プランシーが面会したいとのこと。
え、プランシーってデニムの親父じゃんw 指導者だったのかよw
どうやら暗黒騎士団に拉致られた後、きっつい拷問されたみたいでプランシー神父はもう息も絶えだえらしい。
この面会シーンは涙なくしては見れませんね。
プランシー神父から、カチュアが本当はデニムの姉ではないことが語られます。暗黒騎士団長ランスロットがカチュア本人に告げるシーンがあったので既にネタバレですけど、ここはドラマ仕立てで語られるのでかなりわかりやすいです。
ドルガルア王の妃ベルナータは、夫と侍女マナフロアの関係を知っていたらしい。本来なら報復のためマナフロアを奴隷のように扱き使おうとしていた王妃ベルナータですが、既にマナフロアがドルガルア王の子供を身ごもっていることを知ります。自分の子供以外に後継者がいるのは非常にマズい。というわけで、妊娠中のマナフロアを城外へトバします。
衰弱しきっていたマナフロアはベルサリアを産んですぐに死亡。プランシーは王に伝えるべきではないのかと、兄ブランタに話を持ちかけます。しかし来月には王妃ベルナータの子供が生まれる。あきらかに混乱を招いてしまう。ここは自分とプランシーだけの秘密にしようと言ってきます。
そしてベルサリアはプランシーの下で、先月に死んだ娘カチュアとして、自分の娘として育てることになります。
ですが、ブランタはプランシーを欺いていました。マナフロアとその娘のことをネタに王妃を脅し、司祭の地位を手に入れたのです。
「私は間違っていたと思う。王子が亡くなられた時、カチュアを王の下へ差し出していれば、この戦乱が起きることはなかったはずだ。しかし、私には、私にはカチュアを手放すことができなかった。『父さん』と呼んでくれる子を手放すことができなかったのだ」
もうね、こんなに愛されまくっていたのにね。
実の父親じゃないから見捨てて弟と一緒に島から離れようとかね。
糞ビッチとしか思えないですよカチュアは!
暗黒騎士団がカチュアを探していた理由、それはヴァレリアの王にするためではなく別の目的のためらしい。目的はドルガルア王の遺産。王の墓にあるという『何か』を手に入れるため、暗黒騎士団は本国ローディスからここへ派遣されてきたのです。そして墳墓の扉の封印を解くことができるのが王の血を受け継いだ者、つまりカチュアであると。だから暗黒騎士団はカチュアを自分らの下に置いているわけですね。
カチュアを助けて戦乱を終わらせることができるのは、デニムしかいない。そしてフィラーハ教の大神官だったモルーバを探せ、と。かつては司祭ブランタと権力闘争をしたほどの実力者ですし、力になってくれるはず。
「己を棄てろ、大義のための礎となれ。現実をきちんと見据えて、より良い選択肢を選ぶのだ。おまえは、次の世代のために道を作るだけでよい。それを忘れるな」
↑このセリフが実はハッピーエンドのヒントでしたw
そしてプランシー神父、事切れてしまいます。
父を看取って呆然となるデニムに、僧侶オリビアが話したいことがあると言ってきます。解放軍と教団の間のことなら後にしてほしいと言うデニムですが、どうやらそれではないとのこと。
デニムと司祭ブランタの関係。ブランタとプランシーは兄弟、つまりデニムはブランタの甥にあたるわけ。(これも暗黒騎士ランスロットとカチュアの会話で既に想像がついた話ですけど)
「貴方の本当の名は、デニム・モウン。バクラム人です」
ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!
今まで自分はウォルスタ人だと思っていたのに、バクラム人だったと聞かされて動揺するデニム君。
「よく思い出すのです。貴方は幼い頃、プランシー様とご一緒にハイムに住んでいたのですよ。幼い貴方は、よくモルーバ様のお屋敷に遊びに来ていました。貴方の相手を務めたのはモルーバ様の娘の四人姉妹だった。特に仲の良かったのは同い年の娘。ある日、水辺で遊んでいた貴方とその娘は、深みにはまってしまい溺れそうになったわ」
デニム君、混乱中ですw
その時、一緒に溺れたのはカチュア姉さんだったはず?
でも僕を助けてくれたのはやっぱりカチュア姉さんだった?
超混乱しておりますw
「その時、その女の子の額には小さな傷がついたのよ」
そう言ってオリビアは髪をたくし上げて傷を見せます。
「私たちを助けてくれたのは一番上の姉、セリエ姉さんだった。そう、私は大神官だった父、モルーバの娘」
ガックリと膝をつくデニム。自分の出自が根底から覆ったことがかなりショックなご様子です。
「貴方が目指している世界は、民族や家柄なんかで差別されるような世界じゃないはずよ。貴方がバクラム人であったとしても築こうとしている世界は貴方の理想と同じはずよ!」
デニム君、オリビアに奮い起こされます。
そして、そこにシスティーナとセリエがきます。フォリナー四姉妹のうち3人が集結です。
父親であるモルーバがどこに行ったのかを探すことになります。セリエとシスティーナが教団から去り、ヴァレリア解放戦線を組織したことに(戦乱に身を投じたことに)責任を感じて、どこかへ行方をくらましてしまったと。
懸命に思い出した結果、バンハムーバ神殿にいるのではないという結論に。Nルートではニバスを追い詰める途中に通った場所でございます。
オリビアがもう1人の姉妹であるシェリーのことを尋ねると、システィーナがバクラム軍に投降したと答えます。母親が死んだ時にシェリーは父モルーバを責めていた。権力闘争に負けたことが原因だと。
そして今はブランタの片腕として軍の魔術師となっています。
ちなみにこの大神官モルーバの所在を推測するシーンですが、ルートによってセリフが若干異なります。Cルートではオリビア、セリエ、システィーナが情報を寄り合いますが、Nルートではこの時点ではセリエが仲間になっていないので、オリビアとシスティーナのみ。Lルートではセリエは殺されてますし、システィーナは行方不明のままなので、オリビアとデニムの2人で意見を出し合います。
4章は長くなるので続きはまた後ほど…
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タクティクスオウガ感想 第4章 全ルート共通 前編
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